北アルプスの夏の草花を撮る。ハクサンイチゲ、チングルマは夏の高山を代表する花だが今年は、長引いた梅雨とコロナ騒動でまだ見ていなかった。すでに夏の花は終わっているだろうと、今回の登山ではあまり期待していなかったが、少しだけ咲き残ってくれていた。まだまだ力強い晩夏の陽光と青空を味方につけ撮影を楽しんだ。

今回の撮影機材は、OLYMPUS E-M5Ⅲ レンズはM.ZUIKO12-200mm 9-18mmの2本を準備した。高山のテント泊では軽量化を優先したいので、普段はあまり使わない12-200mmを使っている。暑い中重い装備を担いで歩いていると撮影意欲が低下し、チャンスを逃がすことが多い。しかしいつでも撮影できる便利レンズならチャンスが広がる。野鳥などは特にそうだ。

ハクサンフウロ

ハクサンフウロは草付斜面に咲き、派手なピンク色をしているのよく目立つ花だ。亜高山帯でよく見かけるが、ここでは、ハクサンイチゲやチングルマの傍らで群生していた。

チングルマ

チングルマは高山の代表選手で、この花を見ると、今年もまた北アルプスに登れた嬉しさを覚える。花もきれいだが、綿毛になったチングルマも絵になる。左下の写真は、花が終わり綿毛が開くところだ。

チングルマ
チングルマ
ハクサンイチゲ

白い花が青空に映える構図を狙って撮った。中途半端でまとまりのない写真になった。

ハクサンイチゲ

前ボケを作ったが、前後の距離が足りなかった。

ホシガラス 亜高山帯から高山にかけて見られるカラスの仲間の鳥で、中型でハイマツやシラビソなどの針葉樹の枝に止まってくれるので比較的撮影しやすい鳥だ。この日はペアで現れ、松の実を加えて飛んでいった。まずはこのチャンスをものにしたいので、夢中でシャッターをきりその次は、ProCapモードに入れようとしたら飛び去った。鳥はやはり、飛び立つ瞬間や飛んでいるところが、躍動感があってかっこいい。

ホシガラス
ホシガラス

雷鳥の親子 幸運にも薬師岳小屋の手前で出会えた。人とはある程度の距離を保っている鳥だが、数mまで近寄れるので撮影のしやすい鳥だ。よちよち歩く子供は可愛く、それを見守る母鳥の姿がは凛々しい。ほほえましい光景で、撮影者の心が動く。

雷鳥の子
雷鳥の子
親鳥
カールとモレーンがよく分かる

山全体が石英斑岩、石英安山岩など白っぽい火山岩なので、全体が明るく見えきれいだ。カールやモレーンがはっきりと分かるのも興味深い。朝の遮光で陰影ができ、くっきりとした写真に仕上がる。山岳写真はやはり、朝夕が狙い目だ。早起きは三文の徳。

朝焼け

星空撮影 今回は天気に恵まれそうだったので、星空撮影用にワイドレンズを準備した。M.ZUIKO9-18mmというコンパクトがウリのレンズだ。当然、f4−5.6と暗く、花や風景の撮影には気にならないf値だが、星空となるともう少し明るいレンズを持参すべきだったと悔やんだ。

黒部五郎

この時期の売りは、木星と土星のランデブーと、天の川が一度に撮影できる。しかも、黒部五郎、双六、三俣蓮華など黒部源流の山々が脇役だ。写真にはシルエットで映るが、この脇役があってこそ生きる写真だと思う。ISO1600、f4 50秒でライブコンポジット撮影した。20秒くらいの露出を想定していたが、f4ということを忘れていた。20秒ならもう少し天の川をくっきりと出せたと思う。f2.8のLEICAを持って来ていればと悔やんだ。