冬の藤原岳 年末から年始にかけ、仕事と私事に追われ山に行けなかったが、ひと区切りついたのでとりあえず鈴鹿の山に入った。人の一生にはいろいろと節目があるが、通り過ぎて気づくものだと思う。山も同じで、30年近く途切れなく登ってきたが、この年になりやっと一歩下がって自分を見つめることができた。登山は体も気持ちも厳しい行為だが、山から降りると不思議と体も心も軽やかになる。藤原岳は思い入れのある山で、今年も藤原岳からスタートできたことがうれしく思えた。

大貝戸道 マイペースでゆっくり歩き始めると徐々に体が温まってきた。温度調整のため3合目で小休止し、8合目には二時間弱で到着した。積雪が多くなり、固まっているのでアイゼンを装着した。進路は竹竿とロープで冬道に誘導されていた。踏み跡もありトレースの必要はなかった。冬道は傾斜が強いが、適度にアイゼンが効き高度を稼いでいく。軽アイゼンの人が降りてきたが、スリップして木にぶつかりそうになった。低山といえどもしっかりとしたアイゼンは必要だ。稜線に出て展望が開けると同時に、強風が雪煙を巻き上げ、冬に厳しさが垣間見えた。9合目からも急坂が続き、ここが踏ん張りどころで、これを乗り切ると山上の避難小屋がある。


藤原岳山頂 山頂への登りにかかると、先ほど小屋にいた若者グループが降りてくるところだった。強風に雪煙が舞い、低山とはいえ冬山の厳しさが垣間見えた。時折、流れる雲間から青空が覗くタイミングを見計らってシャッターを切った。今日は風景に動きがあるので、カメラの4Kで動画を撮影した。



