2019年7月4日 No.1232

ピークハントが目的なら最短距離の望岳台からのピストンがいいが、登山日が遠征の中日となり時間的ゆとりができたこと、また、霧予報なので展望よりも花の照準を合わせうべく、昨日同様、十勝温泉からピストンすることにした。十勝岳の山腹は溶岩が転がり、メアカンキンバイの黄色い花が溶岩の黒色に映えていた。キバナシャクナゲ、イワウメ、イワヒゲが多いのは、同類の火山の山である八ッ岳に似ている。

上富良野岳までの急坂

花の百名山で田中澄江は、「十勝岳にはまことに花が少ない。花のない山は私には苦手である。ただ乾いた石だけを見つめて歩く。わずかに望岳台の周辺にウラジロタデとイワブクロを見るばかり。」とまとめている。それで十勝岳の花がイワブクロとなったようだ。火山系の山の岩場や砂礫地を好む高山植物で、日本アルプスでは見かけない。花がないので火山の記述の半分くらいを費やしている。当然我々も、火山の噴火についてはリスク要因として頭の隅にあった。1925年に大爆発し死者144名を出している。1962年 の爆発では死者5名。その後も断続的に火山活動が続いている。

イワウメ
メアカンキンバイ

山頂が直ぐそこに近づいた。時折ガスが晴れ山全体が把握できた。ほぼ予定通り12時過ぎの十勝岳の山頂に立った。ガスの切れ間から薄日が射すので、展望が開けるチャンスを待っていると、何度かチャンスが訪れた。縦一列に噴煙が上がっているが、振子沢噴気孔群だろうか。大正以降の火口がいくつかあり、活動的な活火山であることがよくわかる。

十勝岳山頂
ウソ

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